「連中」〜親分-子分の世界〜
 結婚式でいきなり「新郎の親分です」って紹介されたら、新婦側の親族は青ざめてしまいますよね。
 曽根町には住民同士が 親分子分の契りを結ぶ「連中(れんじゅう)」という制度が古くから受け継がれています。
 この「連中」制度とは、中学や高校を卒業した同級生の遊び仲間が5〜10人くらいで「連中」を組み、「親分」を見つけて頼みに行きます。
(3日3晩居座り続けて頼み込んだとかいう話も耳にします)
こうして結ばれた親分子分の関係は一生続きます。
 もともとの始まりは、塩田の現場での上下関係に由来するという説もありますが、今では祭りとのかかわりが最も深く、「連中」で同じハッピを着て「親分」のかく(担ぐ)「やっさ」を一緒にかきます。
 また、子分が悪さをしたら親分の責任、親分の葬式は子分が仕切ると言うように日常生活においても結びつきが深く。親子以上の関係です。
 こういったことから、若い衆も(親分もかもしれませんが)多少の問題は起こしても大きくはみ出す者が生まれにくくなっています。
 
 現在は責任の重さから親分のなり手が少なくなってはいますが、地域で青少年を健全な方向に向けると言う意味で重要な制度だと思います。
 各町の屋台の組織とこの連中制度によって、現代社会で失われつつある地域とのかかわり、異世代との交流がはかられています。また、他人の目を気にする(同士の心を気遣う)ことによって、人と人とのつながりの大切さを体得します。