k31-10tb005
尊正作
九番 刺繍鳳凰(天目染め)
京都ならではの北山杉の引き粉を使った「天目染め」は、宇宙を具現し、悠久の美を誇る
「曜変天目茶碗」の彩面を独自の技法により表現したものです。
一晩水に浸した北山杉の引き粉を水切りし、たっぷりと染料を載せた白生地の上に1cm程の
厚さに均一に載せ、軽く下から火であぶり、再度1cm厚に引き粉を載せ再び火であぶって
乾燥させる。翌日乾燥させた反物を蒸気で蒸し、その上に湿った引き粉を撒き蒸し
染め上げると言う複雑な染色法を用います。
動きにつれ、地紋の色彩が変化し、奥深い魅力を作り出します。
その生地に白と金の糸で鳳凰の刺繍を施し、
金泥(金粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶かしたもの)で手描きで絵付けをしました。